“永遠の化学物質”を、私たちは含みません。
有機フッ素化合物(PFAS)は、撥水性・耐熱性に優れた性質から、フライパンのコーティング、防水加工製品、泡消火剤などに広く使用されてきた化学物質です。しかしその一方で、自然環境や人体の中で分解されにくく、蓄積しやすいことから「永遠の化学物質」と呼ばれ、健康への影響が世界的に懸念されています。
PFOS/PFOAがもたらす健康リスクとは
特に指摘されているのは、がんのリスク、免疫機能の低下、甲状腺ホルモンの乱れ、肝機能障害など。こうしたリスクに対応するため、海外では飲料水中のPFAS濃度に対して厳しい規制が導入されており、日本においても2023年、環境省と厚生労働省の連名で水道水中のPFOAおよびPFOSの合算値を50ng/L(0.00005mg/L)以下とする暫定指針値が示されました。
同年の調査では、全国67地点における地下水および湧水の測定が実施され、そのうち27地点でこの指針値を超えるPFASが検出されたことが報告されています。これらの結果を受けて、PFASの健康影響に対する社会的な関心と不安が、全国的に高まりつつあります。